就職したら自分だけ職種が違ってた 作者:月夜の調べ
はるか古の時代。
かつて、大陸全土は魔道師が治める単一の王政国家であった。
現在よりも遥かに進んだ魔法文明は、魔法を扱う者とそうでない者とを大きく隔てた。
端的にいえば、魔道師とそれ以外の奴隷しかいない国であった。
悠久の時が流れ、魔法に関する知識の秘伝が徹底された結果、魔道師は自身の一族に伝わる魔法の知識しか持たなくなっていき、個々の魔道師の弱体化が進んだ。
魔法の絶対的な力をもって国の圧政を布いていた古代魔法王国は、徐々に広まった反乱を力で治めることができず、滅ぼされてしまった。
自由を手に入れた各種族だったが、平和を手に入れたわけではなかった。
種族間で対立し争い、それと同時に種族内でも実権をめぐって争うという長い混乱の時代を経て、大陸は4つの国を形成し、現在に至る。
その4カ国の1つ。人間と亜人が手を結び、大陸南部の平原地帯に樹立した『王国 コンコード』。
コンコード王国の仕官は、王立学院を卒業しなければならない。
仕官候補生は、一般職員と違い、魔法の水晶球によって、学生時代に伸ばしたステイタスにより属性(職種)が判定され、配属先が決まる。
誰も聞いたことのない『策士』という属性判定をされてしまった主人公ハルファス。
この独自の才能を活かし、ハルファスは王国に不可欠な人材となっていく。
オススメ度 ★★★+
キーワード ファンタジー 戦記
完結
王国に勤めるためには、王立学院を卒業した主人公。
配属先を決めるための判定で未知の属性の『策士』に。
とりあえずは宮廷魔術師団に配属されるが、宝探しと襲撃事件をきっかけに『策士』の能力を開花させていく――。
微妙にタイトルで損をしている感がある戦記物。
サクサクと進むテンポの良さとしっかりと流れを持ったストーリーがグッド。戦記だけど重くなりすぎない空気感もいい感じ。
けど、キャラが浅い&薄っぺらいのはかなりマイナス。終盤から肩すかしな展開が多かったのも残念。
完結補正も入れて★3+だけど、ほんとキャラ関連が惜しい作品かなー。
あと「侍」とか「忍者」はさすがに世界観から浮いてるような?